トム・デマルコ「ゆとりの法則」を再読して
プロジェクト管理系の大御所本ですね。
まとめ・要約ではなく、管理者的視点と技術者的視点、2つの視点での「へえ、なるほど」を書き留めておきます。
1.管理者的視点
12ページにてデマルコは「ゆとり」のことを、「変化を実現するための必要な自由度」と表現しています。
ドラッカーの「マネジメントは管理的活動だけではなく起業家的活動を行うべきである」や、
グーグルの20%ルールなんかも通じる考え方ですね。
こういった話から、日本おけるワークライフバランス云々(ワークライフバランス概念の誤解)に話をつなげてみたかったりもするんですが、長くなりそうなので割愛。
2.技術者的視点
(1).開発標準とか
「設計の標準プロセスは、優れた設計を考案する方法は何も教えてくれない(それを文書化する方法だけである。)」
何かと「ソースコード自動化!」とか「プロセス標準化で高品質!」みたいな銀の弾丸を煽る輩には注意したいですし、日々、自分の刃を研いでおきたいと身が引き締まりました。
結局、重要なところは職人芸ですからね。
(2).品質管理とか
デマルコはフォトショップが以下に楽しくて使いやすいソフトかをあげ、「これぞ私にとっての高品質!」ということを言ってます・
「1kステップ辺りのテストケース数と不具合密度が〜〜」みたいなが所謂「品質管理」とされてたりしますが、それってエンドユーザに関係ない内部的な数値ですからね〜。
もう少し、外部に響く「品質」に意識を向けたいな、と思いました。
<追記>
2004年のデマルコのインタビュー見つけた。おもすれ〜!!
トム・デマルコ氏インタビュー(完全版) | 日経 xTECH(クロステック)
大人になりきれていないのは人ではなく、企業です。これらの企業は、大人が本来持つべき、ある基本的な特徴を備えていません。「『悪いことは往々にして起こる』ことを理解している」というのがそれです。私たちはこの前提を踏まえたうえで、万一に備えて準備する必要があるわけです。
現在IT業界でよく見受けられる症状に、「失敗プロジェクトの多くは、もともとあまり意味のないものだった」というのがあります。プロジェクトが失敗する主要な理由は「そもそもそのシステムがいらなかったので、時間と金をほとんど割り当てなかった」ことにあるのです。そのプロジェクトが失敗したところで、だれも気にしません。